口腔ケアとは、まだ統一された定義がなく、狭義での内容は「口腔清掃」、広義ではそれに「口腔機能訓練」を加えた意味で使われています。
そのため口腔ケアには、「清掃を中心とするケア」と「機能訓練を中心とするケア」があります。
目的はそれぞれ「口腔内を清潔に保つこと」と「口腔機能を維持・向上すること」です。
要介護高齢者の口腔ケアでは、誤嚥性肺炎や口腔内の乾燥を予防すること、さらには老化や障害による口腔機能の低下を予防・改善することが主眼となります。
口腔ケアによって唾液の分泌がよくなると、唾液が殺菌効果をもたらし、口から入った細菌やウイルスが体内に侵入する事を防ぎます。
唾液の消化酵素が胃腸の働きを促進させます。
また味覚も感じるようになるため、食欲も増します。
噛める事で脳への血流量が増し、脳が活性化します。
これにより、認知症の予防にもつながります。
口のまわりの筋肉が発達する事から、言葉の発音もはっきりする事で、話が出来るようになります。
要介護者にとって生活の質が向上し、自分の口で食べる喜びを維持できます。
またご家族と一緒に食べる事で、さらに食事の喜びが増すでしょう。
介護状態が悪化しない事は、介助者への負担も減らす事につながります。
口の中は非常にデリケートです。
そのため間違った方法でケアすると、口腔内を痛めたり、介護拒否を引き起こす原因となります。
ケアする方も、ケアが必要な方も、口腔ケアとは気持ちのいい楽しい事であり、体にいい事である事をお互いにしっかり理解して無理せずに行ってください。
困った場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。
口腔ケアの考え方を知ってもらう事で、日常で出来る範囲のケアを行い、少しでもすこやかな生活を過ごせるように役立ててください。
*すこやか弁当ではご自宅で簡単に可能な範囲での口腔ケアの情報提供、口腔ケアに必要な介護用品のご提供をいたしますが、本格的な口腔ケアには、歯科医師の管理指導の下で行う必要があり、介助者が必要となります。
一人暮らしの方がお一人で行うには危険が伴いますので、担当ケアマネージャーや歯科医師等に必ずご相談ください。