2016年7月15日

8020運動

「8020(ハチ・マル・二イ・マル)運動」は、平成元年に厚生労働省と日本歯科医師会が提唱した運動で、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という、生涯にわたり自分の歯でものを噛むことを意味します。

近年「8020」を達成している高齢者は増加しています。

ただし高齢者数そのものが増えていますので、「8020」を達成していない高齢者の数も増えています。

なぜ20本かというと、だいたい20本以上の歯が残っていれば、硬い食品でもほぼ満足に噛めることが調査により科学的に明らかになっています。

どの性・年齢層でも自分の歯が20本以上残っている人の咀嚼状況は良好です。

 

8020運動が開始された当初、「8020」を達成している高齢者(後期高齢者:75歳以上)は10人に1人にも満たない状況でした。

しかしその後「8020」達成者の割合は増加し、最近の全国調査(平成23年歯科疾患実態調査)では、後期高齢者の37%が達成してることが示され、今後も増加することが予測されています。

高齢者の歯は、以前よりかなり改善しているのですが、絶対数が増えているため、歯に問題のある高齢者数は増えています。

また義歯により、ある程度の咀嚼の回復は可能です。

義歯でもきちんと噛めている人は、健康状態が高いという調査結果もあります。

ただし義歯のケアが必須となります。

 

「8020」を達成するためには「歯の喪失をいかにして防ぐか」がポイントとなります。

歯の喪失の2大原因はむし歯と歯周病です。

つまりむし歯予防と歯周病予防を充実させることが、歯の喪失の防止と生活の質の維持につながります。

 

歯周病予防には口腔清掃が有効です。

この方法には自分自身で行うセルフケアと専門家によるプロフェッショナルケアの二通りがあります。

セルフケアでは、歯ブラシによる適切な清掃に加えて、デンタルフロスや歯間ブラシによる歯間部清掃が重要です。

専門家による口腔清掃では、セルフケアでは取り除けない歯垢や歯石を専門家が除去する方法です。

 

毎日の口腔ケアにより、80歳まで20本の歯を維持して自分の口で食べられる努力を心がけましょう。

 

*すこやか弁当ではご自宅で簡単に可能な範囲での口腔ケアの情報提供、口腔ケアに必要な介護用品のご提供をいたしますが、本格的な口腔ケアには、歯科医師の管理指導の下で行う必要があり、介助者が必要となります。

一人暮らしの方がお一人で行うには危険が伴いますので、担当ケアマネージャーや歯科医師等に必ずご相談ください。